徹夜しても大丈夫だった疲れ知らずの20代、きついながらもまだ無理がきいた30代、以前と比べてなにか違うと感じる40代。
アラフォー世代という言葉をよく聞きますが、これは40代ではなく30代後半から40代前半くらいの世代のことをさしています。
このアラフォー世代では、若い頃の自分と現在を比較すると、明らかに老化を感じている人も多いのでは?
40代に入ると女性ホルモンの分泌量が急激に低下してしまい、それに伴い体やこころの不調が出てくるのです。
そんな女性ホルモンのことについて、詳しくみていきましょう。
目次
女性ホルモンが低下してる?確認してみよう
女性ホルモンが低下してくると、いろいろな症状が現れてきます。
まずは、現在の体の変化をチェックしてみましょう。
① 頭から汗をかくようになった
② 冷えを感じる
③ 月経周期が短くなった
④ 月経不順になった
⑤ 疲れやすくなった
⑥ 顔や手足が以前よりむくむようになった
⑦ めまいや頭痛がするようになった
⑧ 手の指が握りにくくなった
⑨ 尿漏れするようになった
⑩ イライラするようになった
⑪ 寝つきが悪くなった
⑫ 夜中に目が覚める事が多くて、眠りが浅い
⑬ 肩こりや腰痛がひどくなった
⑭ 関節が傷むようになった
⑮ 目が乾きやすくなった
なにか気になる項目がありましたか?
この15個の項目は、どれも更年期に起こりうる症状です。
婦人科の症状の他に、体力や気力の低下など体のいたるところに様々な症状が現れます。
主な原因は、女性ホルモンの分泌の低下です。
女性ホルモンの基礎知識
一般的に女性ホルモンと言えば、エストロゲンのことが話題になり、髪や肌の美しさや見た目の女性らしさを作る象徴として知られています。
女性ホルモンの、女性ひとりの一生分の量を知っていますか?
たったの「ティースプーン一杯分」の量しかないのです。
ごく微量にもかかわらず、さまざまな働きをしていて全身に影響を及ぼしているんですね。
女性ホルモンには卵胞ホルモンとよばれる「エストロゲン」と、黄体ホルモンとよばれる「プロゲステロン」の2種類があります。
この2つの女性ホルモンは、卵巣から分泌されています。
エストロゲンの働き
月経後から排卵前に多く分泌され、子宮内膜を厚くして卵子を育てる働きのほかに、新陳代謝や記憶力が向上するなどの作用があります。
美肌効果やダイエット効果があり、健康と美容に嬉しい効果があります。
プロゲステロンの働き
エストロゲンの分泌の低下と反比例して、動き出す女性ホルモン。
排卵後、次の月経までの間に多く分泌され、受精卵を着床しやすい状態にします。
妊娠をサポートするホルモンの栄養や水分を体にため込むので、むくみや便秘になりやすい時期ですね。
いろんなことが不安になったり、PMSで気持ちが落ち込んだりするのもこの時期です。
エストロゲンとプロゲステロンは、周期に合わせて分泌量が変動してバランスをとっています。
このバランスとリズムによって、排卵や月経が定期的に起こるのです。
よく「ホルモンバランス」という言葉を聞きますが、エストロゲンとプロゲステロンのバランスのことをさしています。
更年期っていつのこと?
ツライ時期が10年間もあるなんて長いですよね・・・
更年期の本当の名称は「更年期症候群」です。
閉経とは、「1年間月経がこない」ことです。
個人差がありますが、平均すると50~52歳で閉経を迎える人が多いようです。
ですから50歳で閉経を迎えた人は、45~55歳の10年間が更年期になるんですね。
更年期の症状は人それぞれ違いますし、日常生活が大変な人もいれば、特別なにもなく更年期が終わった人もいます。
更年期症状は突然出てきたり、または消えたり現れたりと症状が定まらないため、「不定愁訴ふていしゅうそ」と呼ばれています。
この不定愁訴はホルモンのアンバランスから自律神経の失調が起こって、その結果出てくる症状ですが、女性の約9割の人が不定愁訴を訴えている、と言われています。
更年期かどうかは、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量で判断します。
プチ更年期
これは厳密には更年期ではありません。ストレスや不規則な生活によってホルモンバランスが崩れて、更年期のような症状が出た、状態のことです。
プレ更年期
急激な女性ホルモンの低下がある更年期よりも、少し前の状態です。
女性ホルモンが低下するのはいつ?
女性ホルモンの分泌量は35歳から低下していきます。
35歳から少しずつ分泌量が減って、卵巣機能も低下していきます。
35歳から妊娠しづらくなるのも、このためです。
40代になると、さらにググっと一気に女性ホルモンの分泌量が減ってしまいます。
この頃から月経の周期も乱れ始めて、様々な症状が出はじめてくるのです。
更年期の症状は人それぞれです。
体の変化も人それぞれですので、まったく同じ状態になることはないのです。
更年期に出やすいトラブルと症状
更年期に出る症状はいろいろありますが、主なものを挙げてみたいと思います。
ほてり・のぼせ・発汗
更年期の症状の中でも、特に多いのがほてりやのぼせ、発汗です。
暑くもないのに、急にカーっと顔や頭がほてってきて、同時に滝のように汗が流れ出てきます。
今まで特に汗かきではなかったのに、更年期になってからこのようになる人も結構います。
自律神経は、血管を拡張させたり収縮させる働きがありますが、この機能に異常があるとほてったりのぼせたりするんですね。
更年期によく見られる症状なので、過剰に気にしすぎたりせず、自律神経のバランスを崩すような不規則な生活や暴飲暴食は避けて、ゆったりと過ごすようにしましょう。
動悸
更年期になると、特に激しい運動をしていないのに、急に心臓がドキドキしたりします。
心拍や脈拍は自律神経の働きによるものです。
40代以降は、自律神経の働きが乱れて動悸が起こります。
この動悸が起こる時は、心のどこかに不安があるなどのなにかしらの原因がある場合が多いので、どのような時に動悸が起こるのかをノートに記録しておくといいでしょう。
冷え
手足や腰などの体の一部がすごく冷えてなかなか寝付けない、というのも自律神経失調症の症状のひとつです。
首から上は暑くて汗をかくのに、下半身は冷たく冷える「冷えのぼせ」という状態も起こります。
このような時は血液の循環を良くするために、ウォーキングや水泳をしたり、ぬるめのお風呂にゆっくりとつかってリラックスするといいでしょう。
また、冷えは貧血の場合もありますので、血液検査で貧血の有無を調べると安心です。
めまい
めまいや立ちくらみ、ふらつきは更年期にはとても多い症状です。
ふわふわと体が浮いているような「浮動性めまい」と、天井がグルグル回るように感じる「回転性めまい」があります。
しばらくすると治まるようなら心配ありませんが、周囲がグルグルと回るような時は、内耳の病気や中枢神経系の病気の可能性もあるので、病院で検査を受けた方がいいでしょう。
また更年期には、めまいと耳鳴りが同時に起こる場合も多くあります。
肩こり・腰痛
更年期の時期になってから初めて肩こりや腰痛になる人もいます。
これもエストロゲンの減少による症状です。
エストロゲンの受容体は筋肉や関節にもありますので、エストロゲンが減少したことによって、これらがうまく回らなくなるのです。
骨粗鬆症
骨粗鬆症は、骨のカルシウムがなくなってスカスカになってしまう病気です。
骨も筋肉と同じようにたくさんの血管が走っていて、活発に新陳代謝が行われています。
子供の頃はカルシウムを取り込む方が多いので、骨はどんどん密度が増して丈夫になっていきます。
でも30代半ばからは、カルシウムを取り込むよりも出す方が多くなり、骨がスポンジのようにスカスカ状態になってしまうのです。
この骨粗鬆症は閉経後の50代に急に増えますが、エストロゲンが急激に減ってしまうのが原因です。
骨粗鬆症になる前から、カルシウムをしっかりと摂ることが大切ですね。
今までご紹介した中で、なにか不調を感じているなら、サプリなどの健康食品を利用してみるのもいいと思いますよ。
女性ホルモンと上手に付き合うコツ
いつもの疲れの延長線かと思っていたら、実は女性ホルモンが低下してた・・・という方も多いのです。
いくつか女性ホルモンと上手に付き合うポイントを挙げてみますね。
1、いい友達を持とう
悩みごとを相談できる友達は、同性同士だからこそ分かり合えるもの。
2、スポーツなどで体を動かそう
スポーツはストレス解消にもってこいですね!適度な運動をすることで、熟睡することもできます。
3、おしゃれを楽しもう
おしゃれをすると気持ちが明るくなります。
4、睡眠をたっぷりとろう
睡眠不足は体の抵抗力がなくなります。睡眠前にゆったりと入浴することもおすすめです。
5、食べ物の質と量に気をつけよう
口に入れたものが身体を作ります。バランス良く適度な量を食べましょう。
6、新しいことに挑戦しよう
年齢に関係なく、新しいことに挑戦すると心も前向きになりワクワクしてきますよ。
女性ホルモンと上手に付き合いながら、さらに元気を早く取り戻したい時には、サプリを試してみるのもひとつの方法ですね。
女性ホルモンは年齢とともに、その分泌量やバランスが変化していくものです。
バランスのとれた食事や十分な睡眠など、規則正しい生活習慣を送りながら女性ホルモンを整えて上手に付き合っていくことが、健康、美容、そして精神的に良い影響を与える第一歩になりますね。